医療承継という選択肢 ~親から子へ、そして未来へつなぐクリニック経営~
近年、開業医の高齢化が進み、多くの院長先生が事業承継について考える時期を迎えています。
「子どもが医師になったので、いずれは医院を継いでもらいたい。」
「地域医療を途切れさせることなく、患者さんやスタッフを守りたい。」
このようなご相談をいただく機会が年々増えています。
医療承継には、大きく分けて「親族内承継」「院内承継」「第三者承継(M&A)」の3つの方法があります。それぞれに特徴があり、医院の状況や後継者の有無によって最適な方法は異なります。
親族内承継
親族内承継とは、子どもや配偶者など親族が医院を引き継ぐ方法です。
特に、お子さんが医師となり診療を引き継ぐケースは、これまでも最も一般的な承継方法でした。
親族内承継のメリットは、長年築いてきた医院の理念や診療方針を引き継ぎやすいことです。患者さんにとっても安心感があり、スタッフも継続して勤務しやすい傾向があります。また、院長としても後継者と十分に話し合いながら、時間をかけて引継ぎを進めることができます。
一方で、お子さんが医師であっても、必ずしも実家の医院を継ぐとは限りません。勤務先や専門分野、ライフプランなど様々な事情があるため、早い段階から意思確認を行うことが大切です。また、承継には税務や法務、許認可など多くの手続きが伴うため、計画的な準備が必要となります。
院内承継
院内承継とは、副院長や勤務医など、院内で勤務している医師へ承継する方法です。
すでに医院の診療方針や患者層を理解しているため、スムーズな引継ぎが期待できます。一方で、資金調達や条件面の調整に時間を要することもあります。
第三者承継(M&A)
近年、急速に増えているのが第三者承継(M&A)です。
後継者がいない場合でも、医院を閉院することなく第三者へ引き継ぐことで、地域医療の継続や患者さん、スタッフの雇用を守ることができます。
一方で、承継相手とのマッチングや契約条件の調整には専門的な知識が必要となるため、早めに専門家へ相談することが重要です。
医療承継は「早めの準備」が成功の鍵
どの承継方法を選択する場合でも、最も大切なのは「早めに準備を始めること」です。
特に親族内承継では、「子どもがそのうち継ぐだろう」と考えていたものの、具体的な準備を進めないまま時間が経過してしまうケースも少なくありません。
医療承継には、法人化の検討、出資持分や財産の整理、各種許認可手続きなど、検討すべき事項が数多くあります。余裕を持って準備を進めることで、後継者の負担を軽減し、円滑な承継につながります。
医院は院長先生だけのものではなく、患者さんやスタッフ、そして地域医療を支える大切な存在です。
将来の選択肢を広げるためにも、まずは「承継について考えること」から始めてみてはいかがでしょうか。ご相談は乙野まで(乙野)。

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